ハイです!ど〜も、バンディーです!!
今回紹介する作品は桃野雑派のミステリー小説【老虎残夢】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!
江戸川乱歩賞を受賞した注目作でしたが、予想よりだいぶ面白い作品だったのでオススメです!!
特殊設定を上手く活かしたミステリーだ!!
概要
- 作品名:【老虎残夢】
- 作者:桃野雑派
- 発売日:2021年9月16日(単行本)
- :2024年2月15日(文庫本)
- 発行所:講談社
あらすじ
湖に浮かぶ孤島で、武術の達人・泰隆が遺体となって発見された。三人の武侠を招き、うち一人に「奥義」を授けるとしていた矢先のことだった。孤絶した楼閣は、特殊な武芸を身につけた彼らをもってしても侵入は不可能にみえる。泰隆の愛弟子・紫苑は、姉妹以上の絆で結ばれた恋華とともに、その謎に挑む!
引用:講談社BOOK倶楽部
武侠小説
今回紹介した【老虎残夢】は中国が舞台の小説であまり馴染みは無く、読むハードルが高いと思いますがそういった方こそ読んでいいただきたい作品です!
最近バンディーが読んだ中国の小説で面白かったのは孫沁文【厳冬之棺】です!こちらは本格ミステリーで中国の華文ミステリーに対してイメージが変わった作品なので初めて華文ミステリー読む方にはオススメです!
今作【老虎残夢】の面白いところは武侠を扱っており、中国の武術を上手く取り入れた作品でこれが意外に面白ったんですね〜!
自分の体重を軽くしたり、水の上を飛び跳ねたり普通では考えれない特殊な技を登場人物たちは使います!斬新な設定でバンディーには刺さりました!!
作者は日本人
今回紹介している【老虎残夢】の作者桃野雑派は中国が舞台の作品を書いてます、なので中国の方だと最初思ってましたが日本の方です!
日本人が海外を舞台にしたミステリーをで登場人物も海外の人物ばかりの作品はあまり読ん事が無かったので新鮮でした!
近い作品で言えば逢坂冬馬【同士少女よ、敵を撃て】はロシアが舞台の戦争小説でこちらも海外の登場人物しかいませんが、本屋大賞を受賞するぐらい面白い作品でした!
もしかしたらこれからも日本人が書く海外が舞台で、登場人物も日本人が出ない本格ミステリーが増えてくるかもしれませんね〜!
奥義を巡り集う人
今作【老虎残夢】は武術の達人泰隆が『奥義』を伝授する為に、3人の武侠を呼びだしそのうちの1人に伝授する予定でした。
なぜ過去形かと言うと『奥義』を伝授する側の泰隆が死んでしまったからなんですね〜!死んだ場所も孤立した館の内なのでミステリー好きにはたまらない設定です!
事件の詳細はあとで書きますが、まずバンディーが【老虎残夢】を読んで感じたのはゲーム【ライブ・ア・ライブ】の『功夫篇』に似てると思いました!プレイした方は分かるはず!?同じ中国武術を扱っており技を伝授していくのも似てますね〜。
犯人は一体誰だ!?
泰隆殺しの犯人を探すところからミステリー展開が強まるのでそこからは楽しかったですね〜!主人公の紫苑が探偵役になり犯人を探していきます。
孤立している館で殺されていましたが、館の周りを湖で船でないと行き来できません、しかし泰隆の死体を発見した時船は館側にあったので密室状態でした!
今作【老虎残夢】が面白いのは武侠達の特殊能力や技があるお陰で作品の幅が広がっています、泰隆や紫苑はその技を使い水面を飛び跳ねたりする事が可能なんですね〜!
紫苑もその能力のせいで容疑者候補になっており、自分の無実を証明しながら泰隆殺しの犯人を義理の妹恋華と協力して探していきます。ただ、紫苑の能力が何故か使えなくなっており、『奥義』を伝授しにきた武侠の候補達に隠しながら捜査していく展開も良き!
設定が良い!
今回紹介した【老虎残夢】はやはり設定が良く、それが上手く作品とマッチしてるのが面白かった要因でした!
『館』・『百合』・『武侠』・『密室』等の設定が詰め込まれており、その中でも特殊設定が作品の核になるぐらい活かされています!久しぶりに納得出来た特殊設定ミステリーでしたね〜!!
バンディーは今作【老虎残夢】を読んでこれから先もっと特殊設定ミステリーが増えると実感しましたし、特殊設定だと現実味がない設定も上手く取り入れれるのが強みです!
特殊設定ミステリーと言えば、ぶっ飛んだ作品【エレファントヘッド】の白井智之が1番最初に浮かびましたが、今作【老虎残夢】の作者桃野雑派から目が離せません!次作【星くずの殺人】も要チェックです!
ただ今作が残念だった点は物語ラストが少し分かりにくかった点だけです、それ以外は素晴らしい特殊設定ミステリーでした!
【老虎残夢】
バンディー的オススメ度
★★★★★★★★☆☆☆