ハイ!ど〜も、バンディーです!!
今回紹介する作品は夕木春央のミステリー【サーカスから来た執達吏】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!
夕木春央と言えば衝撃作【方舟】のイメージですが、今回は明治・大正時代が舞台の作品なのでまた違ったカラーの作品です。
暗号解読冒険ミステリー!?

概要
- 作品名:【サーカスから来た執達吏】
- 作者:夕木春央
- 発売日:2021年9月30日(単行本)
- :2023年8月10日(文庫本)
- 発行所:講談社
あらすじ
「あたし、まえはサーカスにいたの」
大正14年。莫大な借金をつくった樺谷子爵家に、晴海商事からの使いとしてサーカス出身の少女・ユリ子が取り立てにやって来た。
返済のできない樺谷家は三女の鞠子を担保に差し出す。ユリ子と鞠子は、莫大な借金返済のため「財宝探し」をすることにした。
調べていくうちに近づく、明治44年、ある名家で起こった未解決事件の真相とはーー。引用:講談社
鞠子とユリ子
今回紹介している【サーカスから来た執達吏】はある貴族が残した隠し財産を探す話がメインになります。
今作の主人公は樺谷家の三女鞠子です、父の樺谷子爵は莫大な借金を作ってしまいその返済の為に貸主である晴海商事社長の使いユリ子がやってきます。
このユリ子は文字の読み書きができず、奇妙な服を来た不思議な少女ですが、実は昔サーカスにいた事がある色々と謎がある少女が相棒になります。
借金の肩代わりとして弁済できるまで鞠子はユリ子と行動を共にする事になりました。
財産探し
鞠子とユリ子は貴族が隠した財産を探し出す為に冒険に繰り出します。
今作【サーカスから来た執達吏】はミステリー作品ですが、どちらかと言えば冒険譚と鞠子の成長物語要素の方が強いです。
ミステリー要素もしっかりあるので楽しめます、財産探しは鞠子達の他にも財産を隠した貴族と関係のある貴族達も財産探しに参加して『財宝探しロワイヤル』と化してます(笑)
冒頭でも隠し財産について触れてますが、何年にも及ぶ財産探しになっており、本当に財産はあるのか?一体どのようなものなのか!?
そして、鞠子は財産を探し出し樺谷家を救えるのか!?
暗号ミステリー
今作【サーカスから来た執達吏】でミステリー要素が特に強く感じられたのは、財宝を探し出しための暗号が登場します。
その暗号を解く過程が面白く、あまり期待してなかったバンディーですがワクワクしながら読み進めました。
暗号登場するがそれを解読してもまた次の暗号が登場し、ドンドン暗号が出てくるのもGOOD!
暗号も財宝探しに密接に関係してるし、冒険要素にも上手く絡まってるので良い相乗効果が出ています。
暗号ミステリーの名作と言えば、このミス1位にもなった竹本健治【涙香迷宮】が真っ先に浮かびました!
今作【サーカスから来た執達吏】で暗号ミステリーを楽しめた方はさらに楽しめると思うので是非とも【涙香迷宮】チャレンジしてみて下さい!
最後に
今回紹介した【サーカスから来た執達吏】は冒頭でも書きましたが暗号ミステリーでもあり、冒険譚でもあり鞠子の成長物語でもあります!
さらに夕木春央と言えば【方舟】でも披露してくれた終盤の『驚き』は健在です!
夕木春央作品で読んだ事のある【十戒】や【サロメの断頭台】でも色々な種類の『驚き』が味わえたので、今作【サーカスから来た執達吏】ではどんな『驚き』が待ち受けてるのか!?
まだ読んだ事無い方は是非とも期待して読んでみて下さいね。
ただバランスが取れた作品でしたが、突出した要素が無かったのが唯一残念でした・・・。
夕木春央作品はどれを読んでも楽しめるので、これから先新刊が待ち遠しい作家の1人ですね〜!!
【サーカスから来た執達吏】
バンディー的オススメ度
★★★★★☆☆☆☆☆
