ハイ!ど~も、バンディーです!!
今回紹介する作品は朝永理人のミステリー小説【毒入りコーヒー事件】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!
朝永理人の作品は【幽霊たちの不在証明】と【観覧車は謎を乗せて】はまだ読めずに積本してしまっており、気になった最新刊の【毒入りコーヒー事件】を読んでしまうことになりましたが、初朝永作品楽しみです!
古典作品をオマージュしたタイトル
概要
- 作品名:【毒入りコーヒー事件】
- 作者:朝永理人
- 発売日:2023年8月4日(文庫本)
- 発行所:宝島社
あらすじ
自室で毒入りコーヒーを飲んで自殺したとされている箕輪家長男の要。
遺書と書かれた封筒こそ見つかったものの、その中身は白紙だった。
十二年後、十三回忌に家族が集まった嵐の夜に、今度は父親の征一が死んだ。
傍らには毒が入ったと思しきコーヒーと白紙の遺書――要のときと同じ状況だった。
道路が冠水して医者や警察も来られないクローズドサークル下で、過去と現在の事件が重なり合う!
引用:宝島社
タイトルオマージュの意味
今回紹介している作品【毒入りコーヒー事件】のタイトルシンプルながら気になるタイトルですが実はこのタイトルには元ネタがあります!
それが海外の古典ミステリー作品アントリー・バークリー【毒入りチョコレート事件】です!バンディーは実際に読んだことはないのですが、作品名だけは知ってましたが知らないかたの為に超簡単で申し訳ありませんが説明しおきます。
以前紹介した2022年話題の一押しミステリー白井智之の【名探偵のいけにえ: 人民教会殺人事件】(まだ未読の方は是非ともチェックを!)と同じく『多重解決ミステリー』が特徴で1つの事件に対して様々な解決策が提示される作品です。
一度で何度でも解決を楽しめる作風でどの推理もそれらしく聞こえその中から真実の解決策が提示されていきます、今作【毒入りコーヒー事件】も【毒入りチョコレート事件】のオマージュ通り『多重解決』が描かれています!
同じ家で同じような事件がまた起こる
今作【毒入りコーヒー事件】の特徴は12年前に箕輪家の長男が毒入りコーヒーで自殺し亡くなっていますが、今度は12年前と同じように大黒柱の父がまたしても毒入りコーヒー?で亡くなってしまいます。
ただ事件が起きるのでなく家族の中から12年前と同じような亡くなり方をする事件が起きます。不謹慎にはなりますがそんな奇跡みたいに同じ事件が起こるって事はなにやら人為的な力が加わってるとしか思えませんね~!
上記の説明からも分かる通り、無差別に殺人が何回も起きることはなく【毒入りコーヒー事件】自体は至ってシンプルですがよく読んでみると難解で考察しがいある作品でした!
嵐の日の箕輪家への闖入者!?
冒頭に箕輪家に帰省したまゆと山中で迷っていた大出と小檜山とバッタリ出会います、嵐が訪れているので二人は嵐で道路が冠水したため身動きが取れなくなったので箕輪家に一避難させてもらいます。
ちょうどこの日は箕輪家の長男要の十三回忌でした、そんな日に大出と小檜山は避難させてもらい思わぬ客となってしまいますがもちろんそれだけでは終わらないんですね~!
話を聞くと12年前に若くして亡くなった要は自殺でしたが妹のまゆは状況から疑問を抱いていました、そして現在ではその要と同じような亡くなり方で箕輪家の主でまゆの父親征一も亡くなってしまいます。
何やら秘密を抱えてそうな大出と小檜山2人が箕輪家に来てこんな事件が起こったので疑惑をかけられる2人、果たしてこの闖入者達は関与しているのか!?
シンプルながらもオチが読めない
今作【毒入りコーヒー事件】は登場人物達も多くはなく事件自体は至ってシンプルですが中々先が読めない展開でした。
疑惑を晴らすために探偵役を買ってでた大出は小檜山と共に、要と征一の事件は関係性があるのか?事件の時の細かい疑問点を検証しながら捜査を進めていきます。
本家【毒入りチョコレート事件】と同じように『多重解決』を提示しながら様々な角度から推理して解決策を堪能出来たのは面白かったですがバンディーは最後までオチには気付けませんでした・・・。
難解だが考察しがいがある
今回紹介した【毒入りコーヒー事件】は事件はシンプルですが真相までの道程が分かりづらく難解だったのが残念でした!もっと分かりやすかったら評価は変わったのですが・・・。
ただ読み終わってからが今作の面白い所だとバンディー的には思います!オチが明確にされてはいないので考察しながら真相を予測するのが楽しかったですね~!
難解だからこそ考察が楽しめたかもしれないし、シンプルだったらここまでは読後余韻には浸れなかったと思うのでバランスが難しい所ですね!是非とも皆さんも考察を楽しんで下さい!
【毒入りコーヒー事件】
バンディー的オススメ度
★★★★★★☆☆☆☆