新しい読書体験が味わえる作品!井上真偽小説【ぎんなみ商店街の事件簿】ネタバレ無し感想!!

ハイ!ど~も、バンディーです!!

今回紹介する作品は井上真偽のパラレルミステリー?【ぎんなみ商店街の事件簿】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!

以前紹介した井上真偽作品【アリアドネの声】が非常に面白く次回作が気になっていたのですが、今回は特にワクワクするような読書体験が出来そうで期待大です!

ちなみに今作【ぎんなみ商店街の事件簿】『sister編』と『brother編』の2冊ありますので今回まとめて紹介していきます!

事件と手掛かりは同じなのに展開が全く異なる作品!?

概要

  • 作品名:【ぎんなみ商店街の事件簿】     :sister編・brother編
  • 作者:井上真偽
  • 発売日:2023年9月13日(単行本)
  • 発行所:小学館

あらすじ(sister編)

ぎんなみ商店街に店を構える焼き鳥店「串真佐」の三姉妹、佐々美、都久音、桃。ある日、近所の商店に車が突っ込む事故が発生した。運転手は衝撃で焼き鳥の串が喉に刺さり即死。詮索好きの友人を止めるため、都久音は捜査に乗り出す。まずは事故現場で目撃された謎の人物を捜すことに。(第一話「だから都久音は嘘をつかない」)
交通事故に隠された謎を解いた三姉妹に捜査の依頼が。地元の中学校で起きた器物損壊事件の犯人を捜してほしいというものだ。現場には墨汁がぶちまけられ、焼き鳥の串が「井」の字に置かれていた。これは犯人を示すメッセージなのか、それとも……?(第二話「だから都久音は押し付けない」)
「ミステリーグルメツアーに行く」と言って出掛けた佐々美が行方不明に!? すわ誘拐、と慌てる都久音は偶然作りかけの脅迫状を見つけてしまう。台風のなか、姉の足跡を追う二人に、商店街のドンこと神山が迫る――。(第三話「だから都久音は心配しない」)

引用:小学館

あらすじ(brother編)

ぎんなみ商店街近くに住む元太・福太・学太・良太の兄弟。母は早くに亡くなり父は海外赴任中だ。ある日、馴染みの商店に車が突っ込む事故が起きる。運転手は衝撃で焼き鳥の串が喉に刺さり即死した。事故の目撃者は末っ子で小学生の良太。だが福太と学太は良太の証言に違和感を覚えた。弟は何かを隠している? 二人は調査に乗り出すことに(第一話「桜幽霊とシェパーズ・パイ」)。
中学校で手作りの楽器が壊される事件が発生。現場には墨汁がぶちまけられ焼き鳥の串が「井」の字に置かれていた。学太の所属する書道部に犯人がいるのではと疑われ、兄弟は真実を探るべく聞き込みに回る(第二話「宝石泥棒と幸福の王子」)。
商店街主催の「ミステリーグルメツアー」に随行し、長男で料理人の元太は家を空けている。学太が偶然脅迫状らしきものの断片を見つけたことから、元太が誘拐事件にかかわっている可能性が浮上。台風のなか兄の足跡を追う福太たちに、ある人物が迫る!(第三話「親子喧嘩と注文の多い料理店」)

引用:小学館

新しい読書体験!?

冒頭に書いてますが今回紹介している【ぎんなみ商店街の事件簿】は『sister編』と『brother編』の2冊あります、今回はまとめての感想になりますので良ければ参考にして下さい!

舞台はぎんなみ商店街で起こった事件を扱った作品で三姉妹が活躍する『sister編』四兄弟が活躍する『brother編』があります!面白いのは二つの話に共通するのは『事件』と『手掛かり』は同じだが全く違った展開を迎える新しい読書体験を味わえます!

オフィシャルでも説明されていますが『sister編』を読んでから『brother編』を読むのもあり、その反対の順番で読むのもあり、さらには1話を交互に読んでいくのもありと言う色々な楽しみかたが出来る作品です!

ちなみにバンディーは『sister編』から『brother編』を読みました!実際に読んでみて感じたのは交互に読んでいくのが1番分かりやすいかもしれません!どの順番から読むかで作品の世界観が変わる道尾秀介【N】と似た感じで本の仕掛けを楽しむ作品です!

1番バンディーがイメージしたのは遥かに昔に学生時代に読んだ吉村達也【金閣寺の惨劇】【銀閣寺の惨劇】を思い出しました!こちらはどちらから読んでもいいですが二つ読み終わったら隠された真相が浮かび上がるという面白い企みの本でしたが、果たして今作【ぎんなみ商店街の事件簿】もそういった楽しみを味わえるのか!?

sister編

『sister編』は焼き鳥店『串真佐』の三姉妹が主人公で3つの事件に遭遇します!三姉妹の名前は長女佐々美、次女都久音、三女桃と焼き鳥にちなんだ名前がユニークでした(笑)

1つ目の事件はぎんなみ商店街のお店に車が突っ込む事故が発生し運転手は亡くなるのですが、焼き鳥の串が喉に刺さった事が原因で事件当時謎の人物が目撃され事件を捜査し始めます。

2つ目は中学校で起きた生徒の製作物が壊された事件を次女の都久美が調べますが、現場に焼き鳥の串で『井』の文字が残されさらには墨汁をぶちまけている謎の状況でこのメッセージ意味を調べます!最初の事件と同じくまたここでも焼き鳥の串が登場です(笑)

3つ目は長女の佐々美が商店街のアンケートで当たった『ミステリーグルメツアー』に行くと連絡が来て以降行方不明になります、探している最中に誘拐の脅迫状を発見し自体は思わぬ結末を迎えます・・・。

『sister編』は主に都久美と桃が推理担当で調査していきます、事件自体はどんでん返しや連続殺人等は起きずガッカリしたミステリーを味わいたい方は物足りないと思います!どちらかと言えば日常の謎位のレベルです。

しかし、事件を解決するのですが何かモヤモヤしたままで物語は終了するのでした、主人公達以外の印象的な登場人物達が物語を彩ってます!

brother編

『brother編』長男元太、次男福太、三男学太、四男良太の四兄弟が主人公です、母親を早くに亡くし父親が海外に単身赴任中なので兄弟達で協力しながら日々を暮らしています。こちらも『sister編』と同じく3つの事件が起こりますが似ているようでどこか違います。

1つ目の事件はぎんなみ商店街のお店に車が突っ込み運転手が喉に焼き鳥の串が刺さり亡くなる事故が起こります、その時四男の良太が事故の目撃者となりますが何か重大なことを隠している様子でした。一体何を隠しているのか!?

2つ目の事件は学太が通う中学校で、女の子の生徒が作った製作物が壊され、墨汁がぶちまけている場所に焼き鳥の串で『井』の文字だけが残されており、学太が所属する書道部が疑われます、福太は調査しますが別のある謎が気になるのでした・・・。

最後の3つ目の事件は『ミステリーグルメツアー』のスタッフとして参加しいる元太の行方がしれず、様子がおかしかった元太は切り抜きの脅迫状が発見された為誘拐に関与している疑惑が浮かび上がります・・・。

『brother編』も3つの事件そこまで意外性はなくこちらも日常の謎レベルの事件です、やはり解決した事件でもモヤモヤが残り、魅力的な登場人物達は相変わらず良かったです!

両作読んで浮かび上がる真相

さてここからが今回紹介した【ぎんなみ商店街の事件簿】の大事な部分の感想を書いていきます!バンディーは冒頭にも書きましたが『sister編』→『brother編』の順に読んだ感想です!

やはり【ぎんなみ商店街の事件簿】は『sister編』『brother編』だけでは1つ1つの作品の面白さは残念なが普通なので両作読むことをオススメしたいですね~!一冊1400円程なので両作で2800円なのでまだ手を出せるギリギリの範囲なはず!?

1つの1つの事件を解決した時に感じたモヤモヤの謎が両方読んだ時に初めてスッキリしました!同じ事件の筈が捜査する人達によって解決方法と真実が違うのは興味深かったです!このポイントが最大のウリですね!

両方読んだ事によりそれぞれの作品に登場した人物の謎が解明されますし、共通する登場達の違う動き側面が見れるのは両方読んだからこそ出来る体験でした!

バンディーが1番読んで面白かった点は両方読むことで浮かび上がる『真実』でした!!こればかりは是非とも読んで体験して頂きたいですね~!

さらに【ぎんなみ商店街の事件簿】『sister編』『brother編』を両方購入した特典でショートストーリーが読めるのでそういった試みはバンディー好きですね!

最後に

最後に個人的に気になった点だけ書いておきます、まず同じ事件と手掛かりで違った展開があるのは良いですが個人的にイメージしてたのとは違いました・・・。

伊坂幸太郎【ラッシュライフ】のように話が上手く絡まってくるのかと思いましたがそうではなく繋がってる用で繋がって無い感じがモヤモヤして惜しかったです、両方読み終わった時位ですかねスッキリしたのは。

話は単純だか【ぎんなみ商店街の事件簿】としての仕掛けは若干分かりづらかったのが残念でしたね~!読者が考察するのも良いですが、二冊購入特典があるのだからこそ仕掛けの種明かしや解説があった方が嬉しかった!その点以前紹介した夕木春央【十戒】は読後特設サイトにキーワードを打ち込んだら解説がみれるのは素晴らしかった!

実際に【ぎんなみ商店街の事件簿】を読んでみて感じたオススメの読み方を書いておきます、『sister編』1章→『brother編』1章→『sister編』2章ー以降同じという順番が1番分かりやすいかもしれないので、まだ未読の方は是非ともこの順番で読んで楽しんで下さい!!

【ぎんなみ商店街の事件簿】『sister・brother編』

バンディー的オススメ度

★★★★★☆☆☆☆☆

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