ハイ!ど~も、バンディーです!!
今回紹介する作品は降田天の連作短編小説【さんず】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!
自殺幇助業者を描いた今作は『自殺』を扱ったシリアスな作品となっております!気軽には読みづらそうですね・・・。
色々な作風を披露してくれる作家
概要
- 作品名:【さんず】
- 作者:降田天
- 発売日:2022年6月10日(単行本)
- 発行所:小学館
あらすじ
彼らは三途の川の渡し守ーーー
自殺幇助業者<さんず>が死にきれない者たちの背中にそっと忍び寄る。第13回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家・降田天が描く限界突破ミステリー。生きづらさを抱える人々の背景にある壮絶なドラマを抉り出す。
引用:小学館
流石の降田天!
今回紹介する作品【さんず】の作者降田天の作品をバンディー今のところ全て読んでいますが、毎回違った作風なんでいつも楽しみにしてしまうんですね~!
初めて読んだ作品【女王はかえらない】や【彼女はもどらない】はどんでん返しで驚かされましたし、日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞した【偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理】等作品事に毎回作風が変わるのでいつも最新作を待ちわびているんですね~!
デリケートなテーマ
今作【さんず】は自殺幇助業者が主人公の作品ですが、デリケートなテーマ『自殺』を扱った作品でいつもの降田作品に比べて若干シリアスになっています。
この『自殺』を扱ってる作品なんで、内容もやはり結構堪えるものがあるので、重い話が苦手な人や陽気な物語を求めている人は今作は合わないと思います!
ただ勘違いして欲しくないのが今作【さんず】は決して『自殺』を助長する作品ではないと言うことです!!本作が始まる前に記載されてますし『いのちの電話』の番号も載っているぐらいです!
現実問題『自殺』する人がいるのも事実なので、その事を頭に入れた上で今作【さんず】を読んでそういった問題も考えていけるようになるのが大事かもしれませんね。
連作短編作品
今作【さんず】はデリケートな部分もありますが、暗いだけの物語にはならずそこはやはり降田天の腕の見せ所でミステリー要素がある事で読みやすく先が気になる作りになっています。
今作は全5章で構成されている連作短編小説ですが、毎話自殺を望む登場人物を巡る事件?が巻きおこっていきますが、毎回一筋縄ではいかないんですね~!
【女王はかえらない】でもあったどんでん返しが毎話炸裂するので、中弛みする事なく読めてメリハリがあるのが良かった!
話の内容も依頼人によってはそれぞれ違いますし、何より自殺幇助業者の二人が異質ですがいい味が出ていて、陽気な『スガ』と無口な『カトウ』のコンビがナイスでした!
コンビそれぞれの過去知りたかった!
今作【さんず】はタイトルにある通り、自殺幇助業者『さんず』のコンビは毎話登場する主人公的な立ち位置の人物達ですが、依頼人とは別に作品全体を通しての謎がある部分も良かったです!
作品全体を通した謎がある作品でバンディーが1番好きな作品は西村健の【地の底のヤマ】は素晴らしいので是非読んで貰いたい作品の一つです!!
徐々に明らかなになる自殺幇助業者の過去が徐々に判明していきラストに繋がっていきます、今作【さんず】を読み終わってバンディーは『スガとサトウ』の2人の昔の仕事や出会い、それぞれの過去をもっと深く掘り下げた話が知りたいので、続編を希望です!(笑)
がっつりミステリーを期待すると・・・
今作【さんず】は作者が【彼女はもどらない】や【偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理】でミステリーの楽しみを教えてくれましたが、今作を同じテンションで読んでは行けません!!
どんでん返しや本格ミステリーばりのトリックを期待して読む方は肩透かしを喰らうので注意が必要です!!どちらかと言えば今作【さんず】はヒューマンドラマの方が強いので気持ちミステリー要素があるぐらいと思ってた方がいいです!!
確かに今作【さんず】は『自殺』っと言ったデリケートなテーマを扱った作品なので、人を選ぶかもしれませんが、取り敢えずは最期までは読んで頂きたいですね!
依頼人によって話はそれぞれだが話の大まかな仕組みは同じなので、その点は飽きて少し残念でした!ミステリー好きなバンディーとしては期待してしまったので残念でしたが、降田天の次の作品に期待したいと思います!!
【さんず】
バンディー的オススメ度
★★★★★☆☆☆☆☆