ハイ!ど~も、バンディーです!!
今回紹介する作品は早見和真のミステリー小説【イノセント・デイズ】を紹介していきます!!早見和真の作品を初めて読んだのは書店を舞台にしたコメディ小説【店長がバカすぎて】で知ったのですが、その作品がま~非常に面白かったので印象に残った作家さんでした!今作【イノセント・デイズ】は【店長がバカすぎて】と全く違った作風でかなり驚きました!!
今作は本当にイヤミスなのか!?
概要
- 作品名:【イノセント・デイズ】
- 作者:早見和真
- 発売日:2014年8月22日(単行本)
- :2017年3月1日(文庫本)
- 発行所:新潮社
あらすじ
田中幸乃、30歳。元恋人の家に放火して妻と1歳の双子を殺めた罪で、彼女は死刑を宣告された。凶行の背景に何があったのか。産科医、義姉、中学時代の親友、元恋人の友人、刑務官ら彼女の人生に関わった人々の追想から浮かび上がる世論の虚妄、そしてあまりにも哀しい真実。幼なじみの弁護士たちが再審を求めて奔走するが、彼女は……筆舌に尽くせぬ孤独を描き抜いた慟哭の長篇ミステリー。
引用:新潮社
日本推理作家協会賞受賞作!
今作【イノセント・デイズ】は本作の主役ともいえる田中幸乃が何故死刑囚になってしまったのか?が描かれる社会派ミステリー作品で決して読んでいて楽しくなるような気持にはならないのですが、何故かドンドン読むのをやめられずあっという間に読み終えてしまった作品です!!
読み終えて納得でしたが今作【イノセント・デイズ】は日本推理作家協会賞を受賞しており、以前も推理小説協会賞を受賞した作品を紹介してきましたが、桜庭一樹【赤朽葉家の伝説】・歌野晶午【葉桜の季節に君を想うということ】・伊坂幸太郎【死神の精度】・今野敏【果断 隠蔽捜査2】・降田天【偽りの春】等々まだ紹介しきれないほど感想を書いてきましたが、改めて思うのは『日本推理作家協会賞を受賞した作品はやはり何かしら響くものがある作品が多い』という事でした!
引き込まれる物語
先ほど書いた通り今作【イノセント・デイズ】は一体この先どうなるのか気になりドンドン物語に引き込まれていきました!
今作の構成は2部構成になっており、第一部が事件前夜・第二部が判決以後となっていますそしてその各章のタイトルが個人的に非常にセンスを感じました(笑)例えば第一部の第一章のタイトルは『覚悟の無い十七歳の母のもとー』と書かれていますが最初は意味が分からなかったのですが、物語のプロローグを読んで気付くのですがタイトルは全て裁判官が幸乃に判決に述べた時の言葉がタイトルになっていると分かった時は感心しました!!
各章を読んで行くと田中幸乃の過去を回想しながら幸乃の人となりが判明していきますが・・・
幸乃の心の内は・・・!?
今作【イノセント・デイズ】は田中幸乃が主人公でもあり物語の重要人物なので過去の回想や出来事を各章を読むごとに判明していきますが、そこには事件であったり人間関係や幸乃の人柄や取り巻く環境等が徐々に分かってきますが、非常にバンディーは読みながらも辛くなってきましたがそれでも先が気になる物語を描けている早見和真の手腕は脱帽です!
読んでいる途中で本当に幸乃は罪を犯したのか?疑問が湧いてきますし、こういった部分は映画【39刑法第39条】や【真実の行方】を思い出しましたね~!!読み進めて行くごとに判明する真実と世間とのギャップに違和感がありますがもしも現実でも真実は湾曲され都合のいいようにメディアに編集され報道されていると思うと怖いですよね!?
今作の結末はかなり衝撃で人によっては病むかもしれませんしイヤミスの要素もありますが、その部分もある側面を切り取ったら衝撃かもしれませんが、別の側面からみたら衝撃ではなく願いと受け取れることもあるかもしれません・・・ネタバレを防ぐ為に余計に意味が分からない言い回しになってしまいましたが(笑)最後まで読んで頂いた方には伝わるかもしれません!!
かなり考えさせされる読後感に浸れるので、一度読んでみる価値はあるかもしれませんがどんでん返しがあるようなミステリーではなく社会派ミステリーなのでそういったどんでん返しを望んでいる方にしたら肩透かしは喰らうかもしれませんが・・・
一応ドラマ化もされている
今作【イノセント・デイズ】は一応竹内結子主演でドラマ化もされています!
バンディーはドラマは観ていませんが、小説だけで辞めておいて正解だと感じました(笑)自分が想像したイメージとかなり配役が違ったので感情輸入が出来ないのです、大人の事情で有名俳優を使わないといけないのも納得は出来るのですが・・・やはり何でも実写化は難しいですね!!
【イノセント・デイズ】
バンディー的オススメ度
★★★★★☆☆☆☆☆