ハイ!ど〜も、バンディーです!!
今回紹介する作品は道尾秀介の画期的なミステリー小説【I】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!
道尾秀介は昔からミステリー作家としても面白い作品ありましたが、近年は新たなステージに到達した気がします。
実験的?画期的?ミステリー!!

概要
- 作品:【I】
- 作者:道尾秀介
- 発売日:2025年11月26日(単行本)
- 発行所:集英社
あらすじ
ホームレスの野宮と知り合った田釜は、元刑事だという野宮が語る幾つかの話に耳を傾ける。田釜も、野宮も、何かを抱えていた。(「ゲオスミン」)
硝子職人の律子と暮らす高校生の夕歌は、世間を騒がせた一家殺害事件の生き残りだった。彼女には誰にも言えない秘密があり……。(「ペトリコール」)
「本作は二つの章から成る物語です。読む順番は自由ですが、その選択により、結末は大きく変わります。どちらかの順番で読むと、二人の主人公を含め、多くの人が命を失います。別の順番で読むと、彼ら(彼女たち)は生き残ります。殺すか、救うか。あなたの選択が、人の生死を決定します。後戻りはできません。引用:集英社
チャレンジが素晴らしい
先ほども書きましたがデビュー数年の道尾秀介は【向日葵が咲かない夏】や【シャドウ】【カラスの親指】等どんでん返し等で驚かされた楽しませてくれた作家で良くチェックしてました。
ありのままを書くと直木賞を取った頃からミステリー色はなりを潜めだんだんと読まなくなりました?
伊坂幸太郎も同じような感じになったので推しの作家2人が大人しくなったのが寂しくなったのを覚えてます。
しかし、【雷神】【いけない2】【N】ぐらいからまたどんどん面白いミステリーが出てきて嬉しくなりました。
【いけない】は読み終わった後の1枚の写真で真相が判明したり、【N】は読む話の順番で何通りの物語が生れる画期的な作品ばかりです。
作品の文章内だけでは無く新たなギミックを駆使して新たなチャレンジしていくのは素晴らしいですね〜!!
どっちから読む
今作【I】は2つの話で構成されています、そして何より面白いのはあらすじにも書かれてますが結末が大きく変わるところです!
【N】も読む順番によって720通りの物語が生れる作りになっています、720通りは凄いですね〜!バンディーは1回読んだだけですが、またいつか忘れた頃に読みたいです。
どう結末が変わるかと言うとネタバレ無しで書くと一方の順番は主人公を含めた登場人物達が命を落とすが、残りの順番は反対に救いの結末が待ち受けます。
いや〜!バンディーはこういった本自体のギミックが大好きなのでワクワクが止まりません!
自分が読む順番は救うのか?殺すのか?一体どっちか分からないので最後まで気になって読んでました!
ひとつひとつの物語は
今作【I】は2つ話で構成されています、簡単にそれぞれネタバレ無しで説明しときますので参考までに。
一応バンディーが読んだ順番で書いときます。
ゲオスミン
こちらはホームレスになった元刑事野宮と休職中田釜の医者2人の男性による会話が主になります。
何故2人とも現在の状態に陥ったのか読んでいると明らかになってくるのですが、お互いに簡単には人に話せない過去があるのでした・・・。
『ゲオスミン』はミステリー色が強くバンディーはこちらの方が読みやすかったです。
復讐のテーマがピッタリだし、過去の出来事が判明したら確かに納得だと感じました。
物語ラストは予期せぬ一撃があり道尾秀介らしさが光るお話。
ペトリコール
高校生の夕歌は硝子職人律子と暮らしています。
夕歌は過去に起きた一家惨殺事件の唯一の生き残りで今は平穏に暮らせるようになり彼氏も出来ました。
ただやはり夕歌にも一家惨殺事件以外にも人には言えない過去があり・・・。
こちらは恋愛色が強いお話だと思いよんでましたが、恋愛と言うよりは社会派ミステリーの方がしっくりきた。
肝心のトリックが判明したとき以前読んだある作品にも似たような事が書かれてたので新鮮味は無かったが、それでもそのトリックを上手く使えてたのがGOODでした。
頭を使う
実際にバンディーは『ゲオスミン』→『ペトリコール』の順番で読ましたが、確かに仕掛けはバッチリありましたが、お恥ずかしい話すぐには『救い』か『破滅』どちらか分かりまんでした(笑)
2つの話は舞台や登場人物等共通することがあるのでそこから色々考察していく事になります。(特に赤い傘)
読み終わった後1回落ち着いて整理してから考察すると良いでしょう!
今作【I】は考察する楽しさと答え合わせが楽しい作品だと思います、ひとつひとつのお話にキチンと驚きがあり、本全体を通しても仕掛けがある点は評価できます。
忖度無しに気になった点を書くと、真相を判断するための手がかりの事を色々考えながら読むのでスムーズにラストの結末が分からなかったのは残念でした。
もっと簡単に分かるようになってれば驚きも倍増してたはず。
しかし、最近は今までの固定概念を覆すような小説を生み出すチャレンジしている道尾秀介は素晴らしいと思います。
昔取った杵柄に頼らずベテランになっても挑戦する姿勢は見習いたいですな!
これからも新たな作品を生み出してくれることに期待です!!
【I】
バンディー的オススメ度
★★★★★★★☆☆☆