終盤で作者の企みにハマった事に気づく作品!?【ラットマン】ネタバレ無し感想!!

ハイ!ど~も、バンディーです!!

今回紹介する作品は【雷神】【向日葵の咲かない夏】等でいつも何かしらの驚きを与えくれる作家道尾秀介【ラットマン】をネタバレ無しで紹介していきます!

真実を知った後見えかたが変わる作品

概要

  • 作品名:【ラットマン】
  • 作者:道尾秀介
  • 発売日:2008年1月22日(単行本)
  •            :2010年7月8日(文庫本)
  • 発行所:光文社

あらすじ

結成14年のアマチュアロックバンドのギタリスト・姫川亮は、ある日、練習中のスタジオで不可解な事件に遭遇する。次々に浮かび上がるバンドメンバーの隠された素顔。事件の真相が判明したとき、亮が秘めてきた過去の衝撃的記憶が呼び覚まされる。本当の仲間とは、家族とは、愛とは――。

引用:光文社

初期の道尾作品

今回紹介する【ラットマン】もそうですが初期の道尾作品はどんでん返し要素が強く毎回楽しみにしていました!

先ほど紹介した【向日葵の咲かない夏】【シャドウ】【カラスの親指】等が『初期作品(1期)』とバンディーは勝手に考えており【ラットマン】はそんなどんでん返し要素がある初期作品の最後の作品だと思っています!

以降は【龍神の雨】や直木賞を獲得した【月と蟹】等はどんでん返し要素は控え目になりどちらと言えば純文学にミステリー要素がある作風【2期】になっていきます、バンディーはガッツリのどんでん返しが好きなので少しもの足りなかったですが、【光媒の花】のように光る作品もあります!

そして今は【スケルトンキー】【いけない】【雷神】などどんでん返し要素も復活しそれだけではなく読ませる作品の『3期』は今までの作品のよい部分を昇華しており、ますます作者道尾秀介の進化が楽しみになりました!!

アマチュアバンドの物語

今作【ラットマン】は高校時代に結成したバンドマン達の友情と事件を扱った作品で、結成14年で30代になり取り巻く周りの環境問題変わりつつある中で事件が起こります。

本格ミステリーのような複雑な連続殺人事件が起こる訳ではありませんが、バンドメンバーの1人を襲った悲劇と主人公姫川の幼少期の悲劇も回想で描かれています!

ある1つの事件の真相を知った時に見事に作者の企みにハマってしまった事に気づいたのと同時に今まで思っていたことが見事に覆されるのでした!

タイトル『ラットマン』の意味

今回紹介した【ラットマン】のタイトル見た時に『ねずみ男・・・?』って変なタイトルだな~と思って読んでいたら、しっかり作中で説明がありました!(笑)

『ラットマン』は心理学のお話しみたいで全く同じネズミの絵でも動物の絵を見た後に見たらネズミに見え、人間の絵を見た後に見ると人の顔に見えてしまう不思議な話です。

人間の思い込みの話で、全く同じ事象でも人の思い込みで全く違った側面が見えてきてしまうのです・・・確かに現場でも起こる話で皆さんも自分の勝手夏思い込みで失敗した事もあるのではないでしょうか!?

今作【ラットマン】はそんな人間の思い込みを巧みに作中に落とし込み見事に読んだ人を騙していくのでした!

もちろん作中に伏線は張られていてしっかり回収してくれますが、それでも思い込みで事件の真相を作者の企みにハマり思いっきり引っかかってしまいました(笑)

それだけではなく事件の真相を知った後にもう1つ思わぬ真相が浮かび上がってくるのには脱帽でした!まだ未読の方は思いっきり騙される喜びを味わって下さい!!

最後に

今回紹介した【ラットマン】は道尾秀介作品でもどんでん返し要素が強い『1期』の作品ですが、このままどんでん返し要素が強いまま作品を出し続けていたらある程度本が売れる見込みは立ったはずですが、あえてどんでん返し要素を極力そぎ落とし批判覚悟で作風を変化させていった判断は英断だと思います!!

結果今の作品【雷神】【いけない】等まだまだ面白い作品が出来上がっているので現状に満足せず常に変化を見せてくれる道尾秀介には尊敬しかないですね~!未だに同じ様な設定や内容をこねくりまわし引き延ばしている作品もあるのも事実なのでどっちがいいかは人それぞれの判断だとは思いますが、バンディーは常に変化して新しい物を取りいえる柔軟な考えのまま活きていきたいものです!!

【ラットマン】

バンディー的オススメ度

★★★★★★★☆☆☆

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