直木賞作家が放つ連作短編集【光媒の花】ネタバレ無し感想

ハイ!ど~も、バンディーです!!

本日は直木賞作家道尾秀介の連作短編集【光媒の花】を紹介していきます!!

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少しづつ繋がる物語

 概要

作品:【光媒の花】

著者:道尾秀介

発行日:2010年3月26日(単行本)

:2012年10月19日(文庫本)

発行所:集英社

あらすじ

認知症の母と暮らす男の、遠い夏の秘密。幼い兄妹が、小さな手で犯した罪。心の奥に押し込めた、哀しみに満ちた風景を暖かな光が包み込んでいく。儚く美しい全6章の連作群像劇。

引用:集英社 

連作短編集

バンディーはどんでん返し作品が好きなんですが、連作短編集も好きで面白そうな作品を未だに探しています!

一つ一つで話が終わる短編集では無く、一つ一つの話は終わるが各章との繋がりがあったり、全体を通してみると大きな一つの作品に変身するような連作短編集が好きなんですね。

以前紹介した乙一の【GOTH リストカット事件】も連作短編集ですね、かなり完成度が高いのでまだ観てない人は是非見てみて下さい!!

道尾秀介

色々な小説紹介していますが、意外な事に道尾作品まだ紹介出来ていなかった事に自分自身少しびっくりしました!

バンディーが思う道尾作品は伏線が上手くちりばめられていて、どんでん返しを楽しませてくれる作家のイメージがあります!

初期の作品はどんでん返し作品が多く、映画化された【カラスの親指】【ラットマン】・【シャドウ】・【向日葵の咲かない夏】などがあるのでまた機会があれば紹介します!

そして4回ノミネートされたあとついに5回目にして【月と蟹】で直木賞を受賞しました!!

素人からしても直木賞って凄さは分かります。

毎年芥川賞と直木賞はテレビのニュースでも放送されてますもんね。

しかしバンディーはそのころの道尾作品は読んでいませんでした。

文学的には無駄をそぎ落としスマートな作品を書き上げていますが、バンディーは伏線や、どんでん返しが多かった初期の作品が好きですね!

バンディー的感想

そんな道尾作品ですが、2019年に発売された【いけない】で久しぶりに道尾作品観たのですが、やっぱり面白く初期以降の面白そうな作品を探していたら【光媒の花】に出会いました!

本作は直木賞にノミネートされ、山本周五郎賞を受賞した評価的にも高い作品です。

やっぱり道尾作品は面白かった!!

構成

  1. 隠れ鬼
  2. 虫送り
  3. 冬の蝶
  4. 春の蝶
  5. 風媒花
  6. 遠い光

全6章で構成されています。

バンディーは1章の隠れ鬼と5章の風媒花がお気に入りの章です!!

全体的にレベルが高い作品ですが、この2つの章は特に良かったですね。

1章の隠れ鬼は読んでいてハラハラさせられ質の高いミステリ作品です、どんでん返しもあり最初から掴まれましたね!

5章の風媒花は読んでて不安にさせられる話が続くのですが読み終わった後には心が温かくなり、ある人物の行動もなるほどっと思わされる伏線も盛り込まれています。

最後に

初期のような伏線の多さや、あっと驚くどんでん返しが多いわけではないのですが、伏線やどんでん返しにしても一つ一つが洗練されていて無駄が無いように思えます、初期作品と以降の作品の良いところが出た作品です。

全体を通しても各省の話も面白く捻りが加えられています、バンディーが良かった点は前の章の登場人物が次の章の主人公になっています、いったい誰が主人公になったのかを考えてみるのも楽しかったです。

そのリンクがあるのでどんどん繋がっていくのが良かったですし、読み終わったあと色々考察や考えに耽って余韻に浸れる作品でした!!

【光媒の花】

バンディー的オススメ度

★★★★★★★★☆☆

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