ハイ!ど~も、バンディーです!!
今回紹介する作品は摩耶雄嵩のミステリー小説【隻眼の少女】をネタバレ無しで紹介していきます!
摩耶雄嵩作品はバンディーは好きで今までも【螢】・【神様ゲーム】を紹介して来ましたが、通常のミステリーに比べ摩耶雄嵩作品はひねくれていて(褒め言葉です!)切れ味するどい仕掛けやどんでん返しに魅了されています!
特に摩耶雄嵩作品の中でも【螢】は是非とも1度は必ず読んで欲しい作品です!そんな【螢】と同じくらい衝撃的な作品が今作紹介する【隻眼の少女】です!!
真実が判明すると見方が変わる作品・・・
概要
- 作品名:【隻眼の少女】
- 作者:摩耶雄嵩
- 発売日:2010年9月30日(単行本)
- :2013年3月8日(文庫本)
- 発行所:文藝春秋
あらすじ
自殺する場所を求め寒村の温泉宿を訪れた大学生の種田静馬は、村の伝説の地で起こった少女の首切り事件に遭遇する。被害者は古から村を支配するスガル様の後継者で、九年後に起こると予言される大難事に備えるべく修行をしていた。犯人の罠により殺人犯と疑われた静馬を見事な推理で救った水干姿の十八歳の隻眼の少女の名は御陵みかげ。名探偵であった亡き母、御陵みかげの遺児で、母の名を継ぐべく、元刑事の父の手ほどきで各地で探偵としての修養を積んでいた最中だった。静馬は助手見習いとして、みかげと共に被害者の琴折屋敷へ向かうが、そこでは第二第三の殺人が待ち受けていた。三つ児の三姉妹、そして父を失いながらも難事件を解決したみかげ。だが、18年後に同じ現場で18年前を再現するような悪夢が……。絶品の超絶本格ミステリー。第64回日本推理作家協会賞、第11回本格ミステリ大賞をダブル受賞。
引用:文藝春秋
数々の賞を受賞した間違いない作品
今回紹介する作品【隻眼の少女】は第64回日本推理作家協会賞、第11回本格ミステリ大賞をダブル受賞した作品です!!ただでさえ賞を受賞するは大変なはずなのにダブルで受賞するって事はそれだけの理由がある作品って事だと思います!
実際にバンディーも読み終わった後は受賞の理由も納得でしたし、本作【隻眼の少女】は摩耶雄嵩作品らしさも出ている作品なので通常のミステリーは飽きた方や摩耶雄嵩作品初めての方にはオススメだと思います!
今までにないヒロイン探偵の誕生!
【隻眼の少女】の探偵役はタイトルに書いてある通り、左右で瞳の色が違い昔ながらの衣装(イメージとしては巫女さん)を着ており気が強めのヒロイン探偵御陵みかげです。
バンディーが今まで読んだ作品【魔眼の匣の殺人】や【invert 城塚翡翠倒叙集】も主人公はヒロイン探偵でイメージ通りのヒロイン探偵像ですが、今作のヒロイン探偵みかげはバンディーの中の今までのヒロイン探偵像をぶち壊す程の存在でした!その理由は是非とも読んで頂いて体験して欲しいですね~!!
しかも御陵みかげは代々受け継がれて行く名前で第1部に登場する御陵みかげも先代の御陵みかげを引き継ぎ探偵御陵みかげを名乗っています!書いていても感じましたがだいぶ分かりづらいですね(笑)さらに第2部に登場する御陵みかげは二代目御陵みかげの娘なので三代目御陵みかげを名乗っています!
代々探偵の名前が引き継がれて行く設定も漫画ジョジョの奇妙な冒険的に世代が引き継がれ物語が進んでいくのは面白いですね!ただで残念な事に初代御陵みかげの活躍は直接は描かれ無いので初代御陵みかげの活躍も読んで見たかったです。
1度で2度美味しい作品!?
今作【隻眼の少女】は2部構成で出来ており物語の語り手で助手見習いの種田静馬の視点で話は進んでいきます。
第1部
第1部は1985年の栖苅村(すがるむら)が舞台で主人公の静馬は大学生で訳あって栖苅村に滞在している時に、元刑事の父と修行中の身の御陵みかげに出会い連続殺人事件に巻きこまれていきます。みかげもこの時はまだ正式な御陵みかげを継いでなくて今回起こった事件を解決してから正式に2代目御陵みかげを引き継ぐことになるのですが・・・
第1部も3姉妹の連続殺人事件が起こったり、さらに不幸な出来事が起こりながらもみかげと静馬は事件を解決すべく必死に捜査をしていきます、特別特殊な設定は無くよくある殺人事件で解決までたどり着くが何かモヤモヤしたまま第1部は終わりを迎えます。
第2部
第2部は1部から18年の時が経ち2003年が舞台になっています、静馬もある大きな出来事が起こりその関係で再び 栖苅村 に訪れる事になます。そこでまたしても御陵みかげと再会する事になるのです。
静馬は18年の時が経っているのでおじさんになっていますが、再会したみかげは18年前の姿のまま・・・実は再び出会ったみかげは残念な事にある事件で命を落としてしまった2代目御陵みかげの娘で3代目御陵みかげでした!!そこから18年前の事件をなぞる様に連続殺人事件が起こるのです・・・
18年の再現をしているような錯覚に陥り登場人物の探偵役みかげと助手見習いの静馬、1冊の本で同じ様な事件を繰り返すのも中々読んだ事ないですし、少年ジャンプの様に少年期から青年期の成長物語みたいでワクワクする部分もありどうなるのか先が気になりますし犯人は18年前と同一人物なのか?様々な謎が残ったまま話は進んで行きます。【隻眼の少女】は1度で2度美味しい作品ですね!
タダでは終わらないのが麻耶作品
【隻眼の少女】は2部構成で18年と時を経てまた同じ場所で再び殺人事件が起きて解決していくのですが、ただ『何か麻耶作品らしくないな~』と思っていた所にとんでもない爆弾を落としてきましたよ!!さすが麻耶雄嵩!!期待を裏切らないね~!!(笑)
この真相に気付いた時には必ず皆さんも驚くことになるでしょう!そして作品に対する見方も変わると思うので是非この【隻眼の少女】を存分に楽しんで下さい! 第64回日本推理作家協会賞、第11回本格ミステリ大賞をダブル受賞 した理由も分かるはずです!
【隻眼の少女】
バンディー的オススメ度
★★★★★★☆☆☆☆