今まで読んだことが無い警察小説!?【夜の淵をひと廻り】ネタバレ無し感想!!

ハイ!ど~も、バンディーです!!

今回紹介する作品は真藤順丈の異色な警察小説【夜の淵をひと廻り】をネタバレ無しで感想を書いていきます!!

【宝島】直木賞を受賞した作者が描く今まで読んだことない連作短編の警察小説ですがすぐに世界観に引き込まれるはず!?

バラエティーに富んだ連作短編警察小説!?

おまわり

概要

  • 作品名:【夜の淵をひと廻り】
  • 作者:真藤順丈
  • 発売日:2016年1月30日(単行本)
  •             :2018年11月22日(文庫本)
  • 発行所:角川

あらすじ

職務質問と巡回連絡が三度の飯より大好きで、管轄内で知らないことがあるのが許せない、良く言えば「街の生き字引」、率直に言えば「全住民へのストーカー」。

西東京のいくつかの主要都市に挟まれたエアポケットのような地「山王子」のある交番で住民を見守るシド巡査のもとには、奇妙な事件が呼び寄せられる。

魔のバトンが渡されたかのように連鎖する通り魔事件、過剰すぎる世帯数が入居したロッジ、十数年にわたって未解決のご当地シリアルキラー。

普通の人々が暮らすこの街の片隅には、怪物の巣食う奈落がひそかに口を開けている。  

長年にわたる報復の連鎖、悪意のスパイラルを追い続けた果てに、シド巡査がたどりつくのは――

引用:角川

作者と直木賞

真藤順丈の作品は今作【夜の淵をひと廻り】以外では直木賞を獲得した【宝島】を読みました、沖縄が日本に返還されるまでの激動を描いた作品ですがミステリー要素もあり、ありきたりですがとにかく『スゴい!』に尽きる作品でした!読んでおいて損はない作品です!!

以前バンディーが紹介した作品では米澤穂信【黒牢城】で最近直木賞を受賞しましたし、島本理生【ファーストラヴ】藤原伊織【テロリストのパラソル】等ミステリー作品が直木賞を受賞するのはいつも嬉しく思います!

バラエティーに富んだ連作短編小説

今作【夜の淵をひと廻り】全9話で構成された連作短編小説ですが主人公シドは全話を通して登場しますが、話の舞台や登場人物も話事には同じ人物がチラホラ顔だしています。

このようなすべての話が最終話で収束する連作短編小説はバンディーは大好きで伊坂幸太郎【死神の精度】乙一【Goth リストカット事件】は連作短編作品としての完成度は素晴らしかったですね~!

今作【夜の淵をひと廻り】は全9話とも印象が変わる不思議な連作短編でホラーっぽい話しがあれば、胸糞悪い話、しっかりしたミステリーの話等バラエティーに富んでいて飽きなかったです!連作短編作品のお約束の作品を通しての大きな謎もありなお良かったです!

普通の警察小説ではない!?

今作【夜の淵をひと廻り】は今まで読んできた『警察小説』とはひと味違う作風となっています!

主人公の人生を描いた壮大な作品西村健【地の底のヤマ】や新たな警察小説のジャンルを切り開いた今野敏【隠蔽捜査シリーズ】等今では様々な警察小説が登場しています。

そんな『警察小説』とはひと味違今作【夜の淵をひと廻り】は第1話を読んでもらったらすぐに判ると思います!一話一話によって色んな顔を見せてくれる今作ですが、キャラクター達が魅力ありますが中でも主人公のシドが1番目立ちます(笑)

魅力あるキャラクター達!

先ほども書きましたが今作【夜の淵をひと廻り】は登場人物達がいいんですね~!直木賞を受賞した【宝島】の時もやはり登場人物達が魅力だった覚えがあります!

主人公のシドは山王子の住人達の家族構成や性格等を知りつくす程の『ストーカー気質』のお巡りさんなのです(笑)他にもシドの上司のクラマや部下のアイザワ等魅力的で読んでいてやり取りが楽しいのです!この二人は最後まで登場するので愛着が持てました(笑)

書く話には警察小説なので事件が起こりますが当然犯人がいますがこの犯人達でさえクセの強いキャラクターが多いので今まで読んだ警察小説との違いがより際立ってました!

一言では言い表せない!

今作【夜の淵をひと廻り】は先ほどから何回も書いてますが今まで読んできたどの警察小説に当てはまらず唯一無二の作品であります!

連作短編小説でキチンとした警察小説っぽい話もあり意外な真相もあり面白かったのですが、それ以外のクセのある話の方が今作【夜の淵をひと廻り】にピッタリでした!実際の事件を参考にした話は読んでいて胸糞悪くなるほどでしたので落差にビックリしました!

物語の最初の方にシドに接触してきた謎の人物は重要な人物で各話とは別に作品を通しての謎があるのはいいですね!少しずつ明らかになる真相って素敵です。

確かに今作はクセのある作品ですが、以前紹介した樋口毅宏【民宿雪国】程ぶっ飛んではいないのでわりかし色々な方に楽しめる作品となっています!話もキャラクターも魅力的な作品【夜の淵をひと廻り】いつもの『警察小説』に飽きた方は是非1度読んでみてはいかがでしょうか!?

シドが若い時から定年後まで描かれている作品なので、もし叶うならまたいつか別の話しで再会したいと思う今日この頃・・・。

【夜の淵をひと廻り】

バンディー的オススメ度

★★★★★★☆☆☆☆

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