ハイ!ど~も、バンディーです!!
今回紹介する作品は若竹七海の連作短編ミステリー【殺人鬼がもう一人】をネタバレ無しで紹介していきたいと思います!!
今作【殺人鬼がもう一人】は警察小説の側面も持ち合わせますが、それよりもブラックユーモアが効いた要素が強い作品です。
全員怪しく思える毒気たっぷりの作品!!
概要
- 作品名:【殺人鬼がもう一人】
- 作者:若竹七海
- 発売日:2019年1月23日(単行本)
- :2022年4月12日(文庫本)
- 発行所:光文社
あらすじ
都心まで一時間半の寂れたベッドタウン・辛夷ヶ丘。二十年ほど前に連続殺人事件があったきりののどかな町だが、二週間前の放火殺人以来、不穏な気配が。そんななか、町いちばんの名家の当主・箕作ハツエがひったくりにあった。辛夷ヶ丘警察署生活安全課の砂井三琴は相棒と共に捜査に向かうが……。悪人ばかりの町を舞台にした毒気たっぷりの連作ミステリー!
引用:光文社
安定の若竹七海
感想は書けていないですが、若竹七海はバンディーも好きで特にデビュー作の【ぼくのミステリな日常】が非常に良く出来た印象に残る作品でした!
その他も『このミステリーがすごい!』で2位になった作品【静かな炎天】等の葉村晶シリーズがドラマ化などされる程の人気があります!他にもたくさんの作品を世に送り出しているベテランの作家です!
出す作品は安定しているので若竹七海の作品には安心感があります!ミステリーランキングにも入賞している作品が多い事からもその実力が伺えます!今回紹介する【殺人鬼がもう一人】もミステリーランキングにランクインしている作品です。
警察小説?
今作【殺人鬼がもう一人】は主人公的な立ち位置で女性警察官の砂井三琴がいます。なので警察小説の要素もあるのですが、以前紹介した西村健の【地の底のヤマ】や今野敏の【隠蔽捜査シリーズ】のようなガッツリした警察小説ではありません!
読み終わった時に感じたのは丁度最近読んだばかりの真藤順丈の【夜の淵をひと廻り】が近い気がしました!こちらも少し変わったお巡りさんのシドが主人公の作品で連作短編作品で様々なお話がある部分は今作【殺人鬼がもう一人】と同じ臭いがしましたね~!
ゴリゴリの警察小説を期待している方は肩透かしを喰らうと思うので色々なお話が楽しめるエンタメ作品ぐらいの心構えが丁度いいと思います!!
何とも言えない空気感の作品
今作【殺人鬼がもう一人】は殺人鬼が登場するので乙一の名作【Goth リストカット事件】のような作品かと思ってましたが全く違いました(笑)
全部で6話からなる連作短編作品ですが、辛夷ヶ丘という町が基本的には舞台となります、他には砂井三琴がほとんどのお話で顔を覗かせています!連作短編作品ですがガッツリ繋がってる訳ではなくゆる~く共通点がチラホラ出てきます。
特に最後の表題作『殺人鬼がもう一人』でしっかり繋がっている気がしました、バンディー的には全話通して今作【殺人鬼がもう一人】はスッキリした爽やかな気持ちにはなれず、ずっとモヤモヤしどこ引っ掛かったまま読み続けていました、久しぶりにこんなに何とも言えない空気感の作品を読みましたね~!!
毎回驚きがある
今作【殺人鬼がもう一人】は全6話事に終盤に必ず何らかの驚きが待ち受けているのでその点は飽きる事が無かったので非常に良かったです!
米澤穂信の【儚い羊たちの祝宴】も短編作品で最後に衝撃が訪れるブラックな作品となっており、今作【殺人気がもう一人】と似ております。
驚きが待ち受ける作品も連作短編作品もバンディーは好きなので今作はピッタリなのですが、毒気が強いので通常の小説に飽きてきた方にはオススメ出来る作品です!
どの話も面白かったですが、やはり表題作の【殺人鬼がもう一人】が1番読んでいて面白かったです、もちろん若竹七海の話は毎回安定しているので安心して読んで頂けると思います!!ドラマ化しても面白そうだなと感じました!
【殺人鬼がもう一人】
バンディー的オススメ度
★★★★★★★☆☆☆