ハイ!ど~も、バンディーです!!
今回紹介する作品は道尾秀介のミステリー小説【貘の檻】をネタバレ無しで紹介していきます!
道尾作品はバンディーブログでも結構紹介していて、【N】・【雷神】・【ラットマン】・【向日葵の咲かない夏】・【光媒の花】等読んできてどれもやはり道尾作品は面白いのですが今作【貘の檻】は今まで紹介した作品とはひと味違う作品になっています!
過去の出来事に隠された真実とは!?
概要
- 作品名:【貘の檻】
- 作者:道尾秀介
- 発売日:2014年4月22日(単行本)
- :2017年1月1日(文庫)
- 発行所:新潮社
あらすじ
1年前に離婚した大槇(おおまき)辰男は、息子・俊也(しゅんや)との面会の帰り、かつて故郷のO村に住んでいた曾木美禰子(そぎみねこ)を駅で見かける。32年前、父に殺されたはずの女が、なぜ――。だが次の瞬間、彼女は電車に撥ねられ、命を落とす。辰男は俊也を連れてO村を訪れることを決意。しかしその夜、最初の悪夢が……。薬物、写真、地下水路。昏(くら)い迷宮を彷徨(さまよ)い辿り着く、驚愕のラスト。
引用:新潮社
衝撃的な幕開け
今作【貘の檻】の物語の導入部分はちょっと驚きました!主人公の目の前に主人公の父に殺され32年前に死んだはずの女性が現れるのですが、次の瞬間には電車にはねられ命を落としてしまいます。
結構衝撃じゃないですか!?まず何故32年前に死んだはずの女性が急に現れたのか!?父が女性を殺したとは!?何故電車にはねられたのか!?冒頭でいきなり疑問点が沢山浮かびインパクトのある幕開けで一気に物語の先が気になりましたね~!!
真相を探りに故郷の村へ
冒頭の事件を探る為、主人公辰男は息子の俊也と共に過去に住んでいO村に出向くのですが、辰男は1年前に離婚しており息子の俊也とも定期的に会うだけで親子関係は上手くいっていない感じがするのです、今作 【貘の檻】 はミステリー作品ですが親子の関係を描いた作品だともバンディーは感じています!
辰男が昔O村にいた時に父が関係する事件が起こったのは分かるのですが、最初からすべて分かる事はなく徐々に明かされていく展開が良く、ありきたりな表現ですが謎が謎を呼び(笑)本当に全部解決できるのか不安なりました!
章の合間に描かれる夢やO村に滞在している時の登場人物も魅力的ですし全員が怪しくも思えました(笑)【貘の檻】は 単にミステリーではなく以前紹介した【忌名の如き贄るもの】の三津田信三作品の刀城言耶シリーズのようにホラー×ミステリーの雰囲気も醸し出している作品です!
ラストで明かされる真実
やはりミステリーの醍醐味は謎が解明されるところですが、もちろん今作【貘の檻】にもしっかり謎解き部分はあります!探偵小説ではないですがそれまで読み進めて行くうちに溜っていた謎が徐々に解明されていくのですが、1つ解決したと思ったらまた新たな謎が残ると言った具合に小出しに解決していくので先が気になり飽きなかったですね~!
しかも今作はラスト付近にある真実が判明した時は驚きと悲しみが訪れましたし、『思い違い』の恐ろしさとその事がボタンの掛け違いのように起こりもどかしさと驚きと悲しみがごちゃごちゃになる読後感を体験しました!!
道尾作品の初期作品はどんでん返し要素が強めでしたが徐々に落ち着いてきたのですが、やはり道尾作品はどんでん返しがあった方が嬉しいし読んでいて楽しいですね!相変わらず心のトラウマや暗い部分を描くのは上手だな~と改めで感じました!ひと味違う道尾作品を味わってみてはいかがでしょうか!?
【貘の檻】
バンディー的オススメ度
★★★★★★☆☆☆☆